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滝越停車場
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王滝森林鉄道,滝越停車場
メインストリート。手前線路ワキの小屋は運転連絡用の電話室だったという(元関係者談)。
写真提供:源太郎氏 撮影日:1975年3月30日
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滝越停車場
王滝森林鉄道,滝越停車場
別角度から。出発準備中の学童輸送列車「やまばと号」。
写真提供:U太氏 撮影日:1974年8月
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滝越停車場
王滝森林鉄道,滝越停車場
上写真とほぼ同位置。
2006年11月中旬撮影
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滝越停車場
王滝森林鉄道,滝越停車場
同上。
2007年11上旬撮影
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滝越停車場
滝越停車場
上写真付近。上松行きの定期旅客(人員輸送)列車「みやま号」。機関車に乗っている方が写真提供をして下さった“わさびさん”で、森林鉄道が廃止されることを知り、なんと、女性ひとりで乗りに来たとのこと。その行動力には尊敬の念すら覚えます。ちなみに、撮影は名古屋大学の方で、この写真にお心当たりのある方はぜひご連絡下さい、と。
写真提供:わさび様 撮影日:1968年7月
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滝越停車場
王滝森林鉄道,滝越停車場
「さようならみやま号」。運材列車最終運転の2日後。この日を以て当線は事実上廃止。
以下、時刻(主要停車場のみ掲載)
1974(昭和49)年5月1日現在:上松08:40発→大鹿10:15発→滝越10:40着→滝越10:50頃発→本谷11:45頃着
1974(昭和49)年5月1日現在:本谷13:15発→一ノ瀬14:00頃発→滝越14:20発→田島15:20発→上松16:33着
1975(昭和50)年1月4日現在:上松08:10発→田島09:50頃発→滝越11:15着(冬期は滝越止まり)
1975(昭和50)年1月4日現在:滝越13:10発→田島13:55頃発→上松15:05着
写真提供:源太郎氏 撮影日:1975年3月31日
姿を消す木曽谷の“林鉄”
新聞スクラップより(新聞名不明)
木曽谷には、わが国最後の森林鉄道が走っている。木曽郡上松町、上松運輸営林署と御岳国有林を結ぶ「王滝森林鉄道」で、支線を含めるとレール延長約80キロになる。だがこの“林鉄”も時代の波に押し流されて、来年度には上松ー王滝村本谷間の本線48.1キロが運転を取りやめる。 残るうぐい川、白川、土浦などの支線も51年度までには廃線の運命にあり、半世紀余にわたって木曽五木の搬出に活躍した林鉄は間もなく姿を消す。

【大正6年に建設】
木曽谷にはかつて阿寺、小川、野尻、小木曽の各林鉄本線があったが、現在は王滝森林鉄道だけ。同林鉄は当時の“木曽御料林”を切り出すため、大正6年に建設された。 木曽川から牧尾ダム、三浦ダムに沿って、広大な御岳国有林の奥深く延びる林鉄で、車窓の景観は抜群。最近の木曽ブームと重なって、林鉄は都会の若者たちを引きつけている。 もともと林鉄は、木材搬出の専用列車。山仕事に従事する営林署関係職員と、交通の便に恵まれない王滝村奥地の住民しか乗車させなかった。

【観光客も乗せる】
だが、これでは都会の観光客が承知しない。間もなく消えるわが国最後の林鉄とあれば、一度は乗りたいというのが人情。王滝森林鉄道を管理する上松運輸営林署へは「林鉄乗車を認めてほしい」の申し入れが相次いだ。 これを聞き入れて同営林署は、今年3月から日曜、祭日と土曜日を除く毎日1回、先着20人の観光客を林鉄に乗せている。 乗車場所は同営林署内の停車場。発車時間は午前8時40分で区間は王滝村田島までの20.6キロ、1時間30分のコースだ。1日平均4、50人、観光シーズンには100人を超える乗車希望の列が出来る。 今ちょうど紅葉シーズン。林鉄で木曽路の秋を楽しむには最高の季節だ。上松運輸営林署には「ぜひ乗車させて欲しい」との手紙が1日に約20通は舞い込んでいる。 中には「僕の親類には○○官庁の役人がいる。署長が乗車を許可しないなら、その人に手を回すから」といった常識はずれの手紙もあり、署員を憤慨させている。 林鉄といっても、木材搬出用の貨車に人を乗せるわけではない。定員20人乗りのマッチ箱のような客車を連結して観光客を運ぶ。

【命の保障はしません】
切り立った谷あいを縫うように進む林鉄だけに、安全とはいえない。乗車料金は無料だが、同営林署は「命の保障はしない」を条件に、観光客を乗せている。 林鉄を利用して、木曽谷の自然美を心いくまで楽しもうという客は少ない。「車内でウィスキーやビールを飲んで騒いだり、窓からタバコの吸い殻を捨てるマナーに欠けた客が多い」と営林署員は残念がっている。 林鉄を乗る理由を聞いても、都会の若者たちは「話の種に乗るだけさ。なくなってしまえば乗れないからな」とヤジ馬的。マナーが悪いのも当たり前だ。 こうした都会とは別に、林鉄を日常生活の足にしている人たちがいる。王滝村滝越地区の人たちだ。山奥で道らしい道がないため、子供たちの通園、通学生活物資の輸送はすべて林鉄にたよっている。

【困る滝越地区民ら】
営林署の説明だと王滝森林鉄道の本線は、来年度で木材の搬出をやめ、事実上廃線になる。やじ馬的な観光客と違って、滝越地区の住民は「林鉄が廃止になったら孤立同然になる」と深刻に受け止めている。 林鉄廃止の理由には経費がかかり過ぎること、沿線国有林の伐採がほぼ完了して、林鉄の使命が終わったことなどをあげている。

【林道開通で廃止へ】
王滝林鉄の廃線も、来年度に御岳林道が開通、トラック輸送が可能になるからだ。同林鉄で働く人たちは当然職種転換にせまられため、組織を挙げて反対している。観光客の中にも「林鉄を残せ」という声は強い。「消えるものへの郷愁でしょうね。王滝森林鉄道には年間1億円余の保線費をかけている。半世紀以上にわたって使用した老朽線であり、安全面からも限界です」と上松運輸営林署は言っている。 同営林署には昔活躍したアメリカ製のボールドウィン1号が保存されている。世界的にも貴重な林鉄の機関車だ、林鉄に乗るのも結構だが、古い機関車をじっくり観賞するのも意義がある。

王滝森林鉄道路線図

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