前川森林鉄道1(大野川貯木場)/ 前川林道 鉄道2級
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長野県松本市(旧安曇村)の観光スポット、乗鞍高原(乗鞍岳)にあった森林鉄道です。
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■ 安曇村史 - 第五編(産業・経済)より一部抜粋 |
官行斫伐事業は、島々谷以外でも行われた。明治22年から34年までは、大野川で、地元からの請願による官行斫伐事業が行われている。この事業は、地元に雇用の場をつくる意味もあって行われたものと思われる。明治末期には大白川や水殿川でも行われていた。昭和13年には、水殿川の流域に営林署による軌道の布設が開始されている。
戦後には、湯川や前川の上流部でも伐採事業が行われた。現在、これらの伐採跡地にはカラマツの造林地がひろがっている。
前川で伐採事業が行われていたころには、「乗鞍製品事業所」が設置され、前川森林鉄道が布設されていた。22年から24年にかけて、現在のいがやスキー場の下にあった貯木場を起点に、総延長11522mの路線が布設されたが、30年から39年にかけて撤去された。また、池ノ沢にも延長3660mの支線があり、40年まで使用された。 |
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■ 当森林鉄道のスペック 参考『近代化遺産 国有林森林鉄道全データ 中部編』 ほか |
平均勾配:45.2‰
最急勾配:72.5‰
最少半径:12m
幅 員:2.2m
昭和22年度:新設(6.560m)
昭和23年度:増設(3.342m)
昭和24年度:増設(1.620m) 総延長11.522m
昭和30年度:取り壊し(2.000m)
昭和31年度:取り壊し(4.738m)
昭和40年度:全線廃止
昭和41年度:撤去完了 |
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▲中部山岳国立公園・長野県乗鞍自然保護センター。
乗鞍高原の中心部にあり、乗鞍の自然や暮らしをより深く知ることのできる施設。
館内は動植物、地理、一の瀬牧場、生活と文化、映画コーナーの5つに分かれ、乗鞍の自然をパネル写真や標本で解説、紹介。なお、冬季は閉館です。
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2003年5月中旬撮影
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▲長野県乗鞍自然保護センター。実に15年ぶり3回目となる入館。 |
2018年11月4日撮影
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▲長野県乗鞍自然保護センター。館内に当森林鉄道の写真と地図が展示されている。(前回も撮影している) |
2018年11月4日撮影
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■ 解説 「明治以降の林業 乗鞍にも森林軌道があった」 |
明治以降も江戸時代と同じく天然林を伐採して、大野川を管流しで送る方法がとられてきた。昭和24年森林軌道が開設されて、運材法は大きく変わった。昭和39年軌道が廃止されてから、木材輸送はもっぱら集材機とトラックに依存している。
一方松本営林署による植林は大正8年から始められて、現在に至っている。なお有力な農家の冬期副業であった製炭は、第二次大戦後衰退し、現在行われていない。 |
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▲当森林鉄道の写真パネル。背後は乗鞍岳。いつの日にか、この場所を特定したい。 |
2018年11月4日撮影
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